私たち、特定非営利活動法人ドッグセラピージャパンは、犬たちが持つ癒やしの力を通じて、人と犬が共に支え合い、誰もが心豊かに生きられる社会を目指しています。私たちの活動は、決して平坦な道のりではありませんでした。
その根底には、3つの忘れられない「出会い」から生まれた、揺るぎない想いがあります。

1. 私たちの原点となった、3つの物語

私たちの歩みは、小さなペットショップの経営から始まりました。しかし、日々の営みの中で出会った出来事が、私たちの使命を大きく変えていったのです。

物語のはじまり：小さな命の現実

ある日、お客様の一言から、私たちが活動する福岡県が、当時犬猫の殺処分数で全国ワースト上位という衝撃的な事実を知りました。 経済的な理由や、人間の身勝手な都合で失われていく命の現実に胸を痛め、「命の尊さを伝え、この悲しい現実を変えなければならない」という強い使命感が芽生えました。これが、殺処分ゼロを目指す啓発活動の第一歩でした。

新たな可能性との出会い：障がいのある学生たち

活動を続ける中、聴覚特別支援学校の生徒たちが職場体験に訪れました。「犬が好き」という純粋な気持ちと、一生懸命に働く彼らの姿。しかし、ペット業界で障がいのある方々が働く道は、非常に限られているという厳しい現実も知りました。「彼らの『好き』を仕事に繋げられないか」。その想いが、障がいのある方々が犬と共に働き、社会的な自立を目指す「就労継続支援事業所 源喜」の設立へと繋がりました。

確信に変わった瞬間：おばあさんの笑顔

「もう一度、犬とふれあいたい」。近所の高齢者施設から寄せられたこの小さな声が、私たちの活動の核を確かなものにしてくれました。３頭の犬と共に施設を訪れると、利用者の方々の表情が和らぎ、心からの笑顔が広がっていく。その光景を目の当たりにし、「犬と共に、一人でも多くの人に笑顔と癒やしを届けたい」という想いは、私たちの揺るぎない活動理念となったのです。

3つの出会いを原点に、私たちは犬と人が織りなす可能性を信じ、日本が抱える社会課題に独自の アプローチで挑戦しています。